O.A. List 2017 4-6 [Apr-Jun]



2017/6/30 21:30 - 22:00 (FM Osaki, Radio 3), 19:00 -19:30 (radio ishinomaki)

特集:Ken'ichi Itoi - EXN / Jai Machine - Happy Life in My Submarine

自身が主催するレーベル、shrine.jpの20周年を記念するKen'ichi Itoiのアルバム「EXN」と、Jai Machine 3年ぶりのニューシングル「Happy Life in My Submarine」を、Coupie、Jai MachineのYukki氏をゲストに迎えお送りします。

(Side A)

1. Enzso / Ken'ichi Itoi

2. Auhm / Ken'ichi Itoi

3. Engue / Ken'ichi Itoi

 

(Side B)

1. Happy Life in My Submarine / Jai Machine

2. I Can Go For Submarine (describing what I see) / Jai Machine

 

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*放送とは別編集となっております。ぜひお聴き下さい。



2017/6/23 21:30 - 22:00 (FM Osaki, Radio 3), 19:00 -19:30 (radio ishinomaki)

The Pop Group [1978-present] (selected by Nerve)

短い活動期間に、強い政治的メッセージを持つアヴァンギャルドな作品を生み出し、その後のシーンに大きな影響を与えたポスト・パンク期のバンド The Pop Groupと、解散後のメンバーの活動を特集します。

 

番組内でのナビゲーターのコメント

The Pop Groupは、1978年にブリストルで結成、Public Image Ltd.やThe Slitsらと並び、ポスト・パンクの最も重要なバンドのひとつに数えられています。ファンク、ダブ、フリージャズなどの要素を持つ、類例のない強烈な音楽性と政治的なメッセージが込められた歌詞は、その後のオルタナティヴ・ミュージックに大きな影響を与えました。ブリストルは、ダブ/ヒップホップの影響が強い独特のディープな音楽シーンがあることで知られますが、その礎を築いたバンドと言えのではないでしょうか。

 

明らかにポップではないのに、ポップ・グループというバンド名が付いていますが。民衆の声という意味で、これが本当のポップ・グループなのかもしれません。

ファースト・アルバムのタイトルの「Y」は、Zのひとつ前の文字で、終わりが近い、危機的な状況にある現代を表しています。

 

バンドは1981年に解散しますが、それぞれのメンバーは、その後も精力的な活動を展開します。

The Pop Groupからは、Rip Rig & Panic、The Maximum Joy、Pigbag、Headなどの派生バンド(という言い方も正確ではありませんが)が生まれています。ヴォーカリストのMark Stewartはソロで活動しています。

 

ヴォーカリストのMark Stewartは、ソロで、ダブ、ヒップホップ、ときにはテクノの要素を持つ実験的な作品を発表。

The Pop Groupギターを担当していたマルチプレーヤーのGareth Sagerと、ドラマーのBruce Smithは、メンバーにヴォーカリストのNenah Cherry(Don Cherryの義娘。ソロでの活躍をご存知の方も多いと思います。)らを迎え、Rip Rig & Panicを結成、Pop Groupのファンク、フリー・ジャズ路線をポップに展開させます。Gareth Sagerは、後にHeadを結成、90年代に入り、triphopの原型として評価されることになります。

ギタリストのJohn WaddingtonとベーシストのDan Catsistは、ブリストルのバンド、Glaxo BabiesのメンバーとThe Maximum Joyを結成します。

1stアルバムのリリース後にPop Groupを脱退したSimon Underwoodはバンドに加入、それがPigbagとなり、Pop Groupの派生バンドのなかでは、最も商業的に成功しました。

 

The Pop Groupは2010年に再結成、2015、2016年にアルバムを発表しています。

 

setlist

1. How Much Longer / The Pop Group

2. Thief of Fire [live] / The Pop Group

3. Do The Tightrope / Rip Rig & Panic

4. Giggling Mind / Pigbag

5. High Ideals And Crazy Dreams / Mark Stewart + Maffia

6. Do It Today / The Maximum Joy

 

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*放送版に曲を追加したexpanded editionとなっています



2017/6/16 21:30 - 22:00 (FM Osaki, Radio 3), 19:00 -19:30 (radio ishinomaki)

女性シンガーソングライター特集 (selected by Yuuji)

女性シンガーソングライター特集と題して”青谷明日香”、”コトリンゴ”の作品をお送りします。

 

番組内でのナビゲーターのコメント

”青谷明日香”は郷愁あふれる田舎の風景から、哀愁ただよう都会のビルの風景まで、様々な主人公の物語を歌い紡ぐ、旅する吟遊詩人。笑いあり涙あり、じわじわと感情ゆさぶるステージが魅力です。先日開催されたアースデイみやぎ大崎にメインゲストとして参加いただきました。

 

2006年 弾き語りとしての活動をスタート。2010年3月 1st ミニアルバム「さようならくじらぐも」をリリース。今年4/19に4枚目のアルバム”いつか歌になる”をリリースしています。

 

“コトリンゴ”は、2006年3月、坂本龍一のラジオ番組J-WAVE「RADIO SAKAMOTO」のオーディション宛にデモテープを送り、坂本の耳に留まる。同年11月commmonsより「こんにちは またあした」でデビュー。自身の楽曲・音源制作のほか、映画音楽、楽曲提供や編曲・演奏、CM音楽の制作、ライブ活動を行う。2013年よりKIRINJIに加入しています。

 

それでは、”青谷明日香”、”コトリンゴ”の作品をお聴きください。

 

setlist

1. 帰っておいで / 青谷明日香

2. このまちで / 青谷明日香

3. 誰か私を / コトリンゴ

4. 白い鳥 / コトリンゴ

5. 何はなくとも,何もなくても / 青谷明日香

 

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2017/6/9 21:30 - 22:00 (FM Osaki, Radio 3), 19:00 -19:30 (radio ishinomaki)

Aunt Sally / Phew 1979-1981 (selected by Nerve)

日本のパンク・バンド、Aunt Sallyと、そのヴォーカリストだったPhewの初期のソロ音源を特集します。

 

番組内でのナビゲーターのコメント

Aunt Sallyは、XTCの来日公演のサポート・アクトなど、数多くのライヴを行いながら、1979年に1枚のアルバムを残して解散した日本のパンク・バンド、といっても、歌詞がどこか文学的だったり、楽曲も多彩なので、テンポの速い8ビートのアグレッシヴな曲が多いステレオタイプなパンクとは違うものですが。Aunt Sally解散後、ヴォーカリストだったPhewは、パス・レコードと契約、1980年に、坂本龍一プロデュースによるシングル「終曲(フィナーレ)」をリリース、その後、ドイツに渡り、コニー・プランク、ホルガー・シューカイ、ヤキ・リーヴェツァイトというジャーマン・プログレッシヴの精鋭たち、そして、パス・レコードの創設者、後藤美孝とアルバムを制作、1981年に1stアルバム「Phew」をリリースします。その後、活動休止期間を経て、1987年に活動を再開、現在も圧倒的にオリジナルな音楽を作り続けています。

本日は、Aunt SallyのアルバムからPhewの1stアルバム、年代でいうと1979~1981年の音源からのセレクトをお送りします。

 

setlist

1. 終曲 (フィナーレ) / Phew

2. うらはら / Phew

3. Essay / Aunt Sally

4. すべて売り物 / Aunt Sally

5. Signal / Phew

6. Fragment / Phew

 

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2017/6/2 21:30 - 22:00 (FM Osaki, Radio 3), 19:00 -19:30 (radio ishinomaki)

The music from Blaxploitation films (selected by Nerve)

70年代に多くの作品が作られ、ブラック・ムーヴィーの1ジャンルにもなった「Blaxploitation(ブラックスプロイテーション)」のサウンド・トラックを特集します。

 

番組内でのナビゲーターのコメント

Blaxploitation(ブラックスプロイテーション)というのは、70年代のブラック・ムーヴィー、特に娯楽映画のことで、代表的な作品には「コフィー (Coffy)」や「黒いジャガー (Shaft)」などがあります。黒人が主演を務めていて、ギャングやドラッグ・ディーラーが出て来て、チェイス・シーンやラヴ・シーンがあって…というわりとステレオタイプな内容のものが多いんですが、門間さん、ご覧になったことありますか?

 

タランティーノの「Jackie Brown」は、Blaxploitationへのオマージュと言えるでしょう。タイトルが「Foxy Brown」のもじり、主演がパム・グリア、オープニング曲がBobby Womackの"Across 110th Street"と、徹底しています。

Adrian Youngeがサウンド・トラックを手がけた、2009年のスコット・サンダースの「Black Dynamite」は未見ですが、Blaxploitationそのものだそうです。

 

Blaxploitationのサウンド・トラックには、独立した音楽作品としても完成度の高いものがたくさんあります。Isaac Hayes、Willie Hutch、Curtis Mayfield、Marvin Gayeが手がけた映画のテーマ曲は聴いたことのある方も多いのではないでしょうか。

 

本日は、Blaxploitationのサウンド・トラックからのセレクションをノンストップ・ミックスでお送りします。

 

setlist

1. Three Tough Guys - Title Theme / Isaac Hayes

2. Coffy is the Color / Roy Ayers

3. Hoppin' John / Melvin Van Peebles

4. Quicksand / Bobby Womack

5. Freddy's Dead (single version) / Curtis Mayfield

6. Mack's Stroll / Willie Hutch

7. Theme Of Foxy Brown / Willie Hutch

8. Driving in the Sun / Isaac Hayes

9. Theme from Shaft (single version) / Isaac Hayes

 

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2017/5/26 21:30 - 22:00 (FM Osaki, Radio 3), 19:00 -19:30 (radio ishinomaki)

Herbie Hancock "Sunlight"(selected by Yuuji)

ジャズピアニスト、作曲家、編曲家、プロデューサーと多岐にわたる経歴のアーティストHerbie Hancockのアルバム"Sunlight"を特集します。

 

番組内でのナビゲーターのコメント

ハービー・ハンコックの経歴は、ジャズピアニスト、作曲家、編曲家、プロデューサーとあまりに多岐にわたっているので、簡単な紹介というのが難しいですね。60年代にマイルス・デイビス・クインテットのメンバーとして活躍。70年代以降もアコースティック・ジャズだけでなく、ジャズ・ファンク、ジャズ・ヒップホップなど様々な作品を発表しています。今回ご紹介するアルバム”サンライト(Sunlight)”は、1978年のリリース。ハービー・ハンコックが、ヴォコーダーを用いて歌手としての一面を発揮したアルバムとしても特徴的です。ハービー・ハンコックのエレピサウンド、ボコーダーボイスが堪能できて、個人的にも大好きな作品です。

 

setlist

1. I Thought It Was You

2. Come Running To Me

3. Sunlight

 

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2017/5/19 21:30 - 22:00 (FM Osaki, Radio 3), 19:00 -19:30 (radio ishinomaki)

The music that has no name yet - Arca, Ash Koosha, Dasychira, Oneohtrix Point Never (selected by Nerve)

「まだ名前のない」新しいエレクトロニック・ミュージックを創造している4組のアーティスト、Arca, Ash Koosha, Dasychira, Oneohtrix Point Neverを特集します。

 

番組内でのナビゲーターのコメント

エレクトロニック・ミュージックは、他の音楽以上に細分化されているように思いますが、本日特集するアーティストたちが創る音楽には、共通の傾向があるものの、僕の知る限り、まだ名前がついていません。永遠に名前がつかなければいいのに、と思います。名前がついて、音

楽が定義され、固着化され、大量のイミテーションが生まれなければいいのに、と。それも時間の問題なのかもしれませんが。今夜は、まだ名前のない、最先端のエレクトロニック・ミュージックをご堪能下さい。

 

setlist

1. Vipera / Dasychira with Embaci

2. Caduceus / Dasychira

3. Mudafossil / Ash Koosha

4. Biutiful / Ash Koosha

5. Child of Rage / Oneohtrix Point Never

6. Anoche / Arca

7. Desafío / Arca

 

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2017/5/12 21:30 - 22:00 (FM Osaki, Radio 3), 19:00 -19:30 (radio ishinomaki)

Curtis Mayfield - produced works (selected by Nerve)

ソウル・ミュージックの最重要アーティストの1人、Curtis Mayfieldのプロデュース作品を特集。

 

番組内でのナビゲーターのコメント

3月にCurtis Mayfieldのソロ作品を特集しましたが、今回は、Curtisのプロデュース作品の特集です。プロデュースといっても、ほぼ全曲を書いて、演奏にも参加して、というアルバムが多いため、ソロにはない作風でありながら、Curtis色が強く感じられるのが特徴です。

Curtis Mayfieldの代表作でもあるサウンドトラック"Superfly"の成功の影響で、映画のサウンド・トラックを多く手がけていますが、1枚のアルバムで1組のアーティストをフィーチャーしているので、作品としても統一感があります。

今回は、ヒット曲からアルバム中の隠れた名曲まで、Curtis Mayfieldのプロデュース作品をお届けします。

 

setlist

1. Stop The War / The Impressions

2. Sweeter than the Sweet / The Staples

3. The Makings of You / Gladys Knight & The Pips

4. A Change is Gonna Come / Baby Huey

5. Let's Do It Again / The Staple Singers

6. Sparkle / Aretha Franklin

 

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2017/5/5 21:30 - 22:00 (FM Osaki, Radio 3), 19:00 -19:30 (radio ishinomaki)

特集:Seikomart | Sud Swap Audio | Botanica1 - showcase vol​.​1 (selected by Nerve)

アメリカ/日本のVaporwaveレーベル、Sud Swap Audio、Botanica1、Seikomartから、2017年3月以降にリリースされた音源をお送りします。

 

Seikomart  [Bandcamp] https://seikomart.bandcamp.com/

Botanica1 [Bandcamp] https://botanica1.bandcamp.com

Sud Swap Audio [Bandcamp] https://sudswapaudiobrewing.bandcamp.com/

 

番組内でのナビゲーターのコメント

先月、先々月と、La Mano Friaが主宰するマイアミのVaporwaveレーベル、Sud Swap、Botanica1の特集をお送りしましたが、今回は、日本のサブレーベル、Seikomartのリリース作品も加えてご紹介します。比較的新しい作品を集めていますが、リリースのペースが速いので、更に新しい作品は漏れてしまっているかと思います。それらは、また別の機会にお送りしたいと思います。
前回、コンセプトを伝える手段として音楽やアートワークを用いているというLa Mano Friaの話をご紹介しましたが、ラジオだと、媒体の性質上、音だけになりますので、ぜひ、レーベルのウェブサイトなどで、それぞれのアートワークを見て、作品のコンセプトに思いを巡らせてみて下さい。

 

setlist

1. Pisco Sour / ░ (Season 1)

2. Mt. Hood / AcMafee Education

3. Under Bunkers / First Kings

4. 104-0045 / Toyosu Tekko Visions (feat. TOOKYO2020 & Θ)

5. Great Northern / ΔCID.rar

6. パスは遠くに流れそれはかろうじて白です / Setsuko Suwa

7. Ambient Funk Test / Channel Surfing

8. Neural Net / Pokotan91

 

The artwork designed by La Mano Fria

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2017/4/28 21:30 - 22:00 (FM Osaki, Radio 3), 19:00 -19:30 (radio ishinomaki)

Dirty Dozen Brass Bandの特集:”The New Orleans Album”(selected by yuuji)

ニューオリンズのブラスバンドDIRTY DOZEN BRASS BANDのアルバム”The New Orleans Album”の特集。

 

番組内でのナビゲーターのコメント

Dirty Dozen Brass Bandは、1977年に結成されたニューオーリンズ・スタイルのブラスバンドです。その音楽性は伝統的なニューオリンズの雰囲気を残しつつも、ファンク、ソウルなど新しい音楽の要素も取り入れ、その後のブラスバンドに大きな影響を与えました。

スーザフォン、ベースドラム、スネアドラムによるリズムセクションはマーチングスタイルならではの特徴あるビートを生み出します。

 

20世紀初頭、ニューオリンズで誕生した黒人ブラスバンドは、その後独自のスタイルを築き、洗練され、ジャズの直接の母体であるニューオリンズ・ジャズになったと言われています。

ジャズがその後、シカゴ、ニューヨークへと中心を移し、さらに進化していった一方で、ニューオーリンズ・スタイルのブラスバンドは、現在もなお、「今の音楽」としてニューオリンズ・ミュージック・シーンを彩っています。

 

Dirty Dozen Brass Bandは1984年、コンコード・レコードよりアルバム「My Feet Can't Fail Me Now」でデビュー。1987年にコロムビア・レコードへ移籍し、アルバム「Voodoo」をリリースします。同作には、ディジー・ガレスピー、ドクター・ジョン、ブランフォード・マルサリスといったゲストが参加しました。

 

1991年以降は、オリジナル・メンバーのスーザフォン奏者(カーク・ジョセフ)、ベースドラムのベニー・ジョーンズがバンドを脱退。後任としてエレキベース奏者、ドラムセットを叩くドラマーが加わります。その後、ギターやピアノも加わり、しだいに通常のバンド・スタイルとなっていきました。

 

メンバーの入れ替えはありますが、これまでに多くのアルバムをリリース。2006年には、ハリケーン・カトリーナ1周年の日にあわせて、アルバム「What's Going On」をリリース。演奏活動は現在も続いており、今年で結成40周年になります。

 

今回お届けするアルバム「The New Orleans Album」は1989年のリリース。オリジナルメンバーによる結成当初の“ニューオリンズ・ブラスバンド・サウンド”が色濃く残るアルバムです。

 

setlist

1. Snowball

2. When I'm Walking (Let Me Walk)

2. Me Like It Like That

4. Don't You Feel My Leg

5. Kidd Jordan's Second Line

6. That's How You Got Killed Before

  

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2017/4/21 21:30 - 22:00 (FM Osaki, Radio 3), 19:00 -19:30 (radio ishinomaki)

Daniel Lanois - produced works (selected by Nerve)

アーティストの個性・音楽性を生かしつつ、独特の陰影と仄明るさが同居する音世界を構築する、Daniel Lanoisのプロデュース作品を特集。

 

番組内でのナビゲーターのコメント

Daniel Lanoisは、現代最高のプロデューサーのひとりと言えます。

ラノワの作り出すサウンドには、独特の陰影と仄明るさが同居しており、器楽演奏で参加している作品も多いです。ラノワのプロデュース作がワールドワイドな成功のきっかけとなったアーティストも少なくありません。

 

1984年にBrian Enoと共同プロデュースしたU2の"Unforgattable Fire(焔)"が、ラノワのプロデューサーとしての出世作と言えるでしょう。その他、同じくU2の"Joshua Tree"(87)や"Actung Baby"(91)、Peter Gabrialの"So"(86)、Robbie Robertsonの初ソロ・アルバム(87)、Neville Brothers "Yellow Moon"(89)、Bob Dylan "Oh Mercy"(89)、Emmylou Harris "Wrecking Ball"(95)、Marianne Faithfull "Vagabond Ways"(1999)など、かなりの数の作品を手がけていますが、どのアルバムでも、アーティストの個性、音楽性を生かしながら、ラノワにしか作り得ない音世界を作り上げています。

最初はプロデューサーを知らずに聴いていたアルバムも多いんですが、僕が好きなアーティストを多くプロデュースしていて、サウンドも独特なので、ある時期からラノワの音を意識するようになりました。

 

ラノワのプロデュースで、聴いていない作品もまだまだありますが、近年では、Neil Youngの"Le Noise"(2010)が、特に傑出した作品だと思います。

 

本日は、Daniel Lanoisのプロデュース作品からのセレクションをお送りします。

 

setlist

1. Indian Summer Sky / U2

2. All My Tears / Emmylou Harris

3. Yellow Moon / The Neville Brothers

4. Electra / Marianne Faithfull

5. Someone's Gonna Rescue You / Neil Young

6. Home Motel / Willie Nelson

 

 

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2017/4/14  21:30 - 22:00 (FM Osaki、Radio 3), 19:00 -19:30 (Radio Ishinomaki)

Tell me & 特集 : Coupie "Trajno Fenestro" (selected by Nerve)

Side-AではNerveによるセレクト音源を、Side-Bでは、アコースティック・アンビエント・ユニット、Coupieの8年ぶりとなる新作"Trajno Fenestro〜車窓"を特集。

 

Coupie "Trajno Fenestro~車窓"(涼音堂ウェブサイト)
http://www.ryoondo-tea.jp/discography/des046_trajnofenestro.html

 

setlist

( Side A )

1. Avril 14th / Alarm Will Sound

2. Tally Rand / Donny Hathaway

3. Myth / Pharaoh Sanders

4. Petite retraite de Russie / Antoine Loyer

5. Intensify / Oval

6. What Do You Think Will Happen Now / Owen Pallett

7. I Wanna Be Where You Are / Marvin Gaye

 

( Side B )

1. Trajno Fenestro ~ 車窓 / Coupie

 

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2017/4/7 21:30 - 22:00 (FM Osaki), 19:00 -19:30 (radio ishinomaki), 2017/4/8 22:30 - 23:00 (Radio 3)

Adrian Younge presents Something About April II (selected by Nerve)

Adrian Youngeの2016年のアルバム"Something About April II"を特集。2011年の"Something About April"同様、架空の映画のサウンドトラックとして制作された本作は、ダークで甘い楽曲と、70年代ソウル、プログレッシヴ・ロック、ヒップホップのハイブリッドのようなサウンドが印象的で、強いイメージ喚起力を持つ。Bilal、Loren Oden、Lætitia Sadier [Streolab]らがゲスト・ヴォーカリストとして参加。

 
番組内でのナビゲーターのコメント

「Adrian Youngeは、1998年にヒップホップのプロデューサーとしてデビュー、その頃は、ヒップホップの定番機材、MPC2000を使って音楽制作を行っていましたが、徐々にサンプリング元のような音楽、サンプリングされるような音楽を作りたいと思うようになり、独学で様々な楽器、作曲、アレンジ、アナログ機材での録音方法を習得し、2009年に映画「Black Dynamite」のサウンド・トラックでソロ名義でのデビューを果たします。

その後も、ソロ名義で、自身のバンド"Venice Dawn"を率いて、また、The DelfonicsGhostface KillahBiralらとのコラボレーション作品をリリース、Adrianの音楽は、実際に、CommonDJ Premierなど、ヒップホップの大物アーティストにサンプリングされるようになります。

 

196874年までを音楽の黄金期と考えるAdrian Youngeは、その頃使われていた楽器と機材で音楽を制作しています。この時代は、ニュー・ソウル、フィリーソウル、Sly & The Family StoneParliamentなど、ヒップホップのサンプリング定番となっている作品がリリースされていた時期です。そうした手法で音楽を制作するAdrian Youngeをノスタルジックと見ることも可能ですが、Stevie WonderCurtis Mayfieldがその時代に於いて新しい存在であったように、Adrianの作品も間違いなく現代の音で、そして、タイムレスだと感じます。それは、いずれ、時間が証明してくれるのでしょう。

 

映画音楽』も、Adrian Youngeの音楽を語る上で不可欠なキーワードです。デビュー作は、ブラック・ムーヴィーのサウンドトラックでしたし、Ghostface Killahとの"Twelve Reasons to Die"も聴く映画とでもいうべき内容でした。

本日紹介する"Something About April II"は、2011年の"Something About April"の続編となる架空の映画のサウンド・トラックで、BilalRaphael Saadiq StereolabLætitia SadierLoren Odenなどのゲスト・ヴォーカリストが参加しています。アートワークや歌詞から、エロティックで、シリアスなシーンもある恋愛映画だと思っているんですが、どうでしょうか。 」

 

setlist

1. Sitting by the Radio (feat. Loren Oden)

2. Sandrine (feat. Loren Oden)

3. Memories of War (feat. Lætitia Sadier [Stereolab])

4. Step Beyond (feat. Lætitia Sadier [Stereolab] & Bilal) 

5. Magic Music (feat. Raphael Saadiq)

6. La Ballade (feat. Lætitia Sadier [Stereolab] & Bilal)

7. Winter is Here (feat. Karolina)

8. Ready to Love (feat. Loren Oden & Lætitia Sadier [Stereolab])

 

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